箱根のホテルといえば、日本が国際的な時代を迎えた頃からの、歴史に名を残すような由緒あるイメージがある。

皇室や政界を始めとする国内外の御要人の避暑地でもあり、それはそれは一般庶民の訪れる場所では決してなかった。

しかし、時代の波は恐ろしく、不景気の真っ只中にいる現在、その風格を保ちながらも、少しずつ庶民にも解放され、変遷していく様をみるたび、どこか寂しいような、しかし何とかして時代に翻弄されることなく生き残って欲しいという願望とが入り乱れるこの頃である。




箱根のホテルはその国際的なありようから、特に某ホテルに至っては、東京オリンピックの折も、厨房のシェフたちが大活躍していたことは、世間にはあまり知られていない。

東京オリンピックのキッチン事情といえば、東京の有名ホテルのシェフがチーフとなり、全国からコックたちが募集されたようなイメージがあるが、実はそのトップに立って洋食を作っていた者の中には、箱根のホテルで選抜されたシェフ達もいたのである。

そして、そのことがあまり知られていないことも手伝って、箱根のホテルの厨房グレードも密やかに変遷をしているように思われる。




いずれにしても、箱根という場所は、温泉旅館が立ち並ぶ、庶民の湯治場のようなところもあるが、これほど「ホテル」という名前が民宿と一線を画す所もめずらしい。

なのでとりわけ箱根のホテルには、そのグレードを保ち続けながらも、「日本の国際ホテル」という重い歴史を後世にも伝えていけるような経営をしてほしいものである。

そしてそれが、これからの「箱根=要人のリゾート地」という、観光要素を盛り込みながらもホスピタリティの行き届いたキメの細やかな、これぞ日本を代表するホテルという位置を保つ決め手になるのではないかと、素人ながら思うのである。

2009-08-29カテゴリ『ホテル』. You can follow any responses to this entry through the feed. You can leave a response, or from your own site.

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